ヒッチハイクの文化や方法、旅行記を綴っています。カナダ北部での生活や文化も紹介。

05月05日其の3−寒さの中で、空き巣を!?

眠りについてから2時間後、あまりの寒さに僕は目を覚ました
あたりはもう真っ暗で、震えながら体をビニール袋の中から出し、用意しておいた枯れ木のほうに向かった。


火を起こすのはもう得意になっている。
カナダの冬の暮らしではどんな家でも暖炉がありそれが唯一の暖房になるので、火を起こ事はもうマスターした。


さすがに枯れ木に直接ライターの火を当てても木が燃えるわけがない。


僕はまず、石を見付けて暖を取るあたりに円状に置いておいた。
その上にまず、地面から乾いた草を集め、それに火をつける。


この乾燥している草は勢い良く燃えその上にすぐに枯れ木を乗せる。
すぐには火が完全に点かないので、草を足しながら火が安定するまでそれを繰り返す


10分もするともう勢いよく火が点く。
それで温まると思ったが、それだけでは背中が本当に寒い


しかし、焚き火をしながら眺める、カナダの空は素晴らしかった。
森のほうは真っ暗だが、上は星空が広がっている。


空を考えながら色々なことを考えた。
自分の人生や宇宙の事を。
そうしているうちに不覚にもまた眠ってしまった。



次に起きた時は、朝の3時半
自分が寒さで呼吸を荒げているその音で目を覚ました。
体が冷たい。
これはマジでやばいと僕は思った。


焚き火はもう完全に消えている。
『どうする...?』
心の中で考える。


このままでは凍えてしまう。
僕は荷物をまとめ、その場を離れた。


ガソリンスタンドに行こうと震えながら歩いていくと一軒の家が目に付いた
明かりはない。
それに車もない。


この地方で車を持たないということは普通に考えて在りえない。
僕はこの家に誰もいないと考えた。


ゆっくり玄関まで歩を進め、扉の前に立とうとしたその時、


「バキッ!」
大きな音を立てて、扉の前の木の床板が壊れて、その中に足を突っ込んだ。
家は古く手入れされていないようだったが、僕は本当に驚いて走って逃げた。


その後はまた焚き火をしていたほうに行ったが、ここでは本当に凍えてしまう。
勇気を出してまたあの家の前に戻る。


こんども足音を立てないように僕はその家の前に行く。
踏み外した床板を避けてその扉のドアノブに手を掛ける。


しかし、ドアノブを回すのに時間が掛かった。
『人がいたらどうする?』
『寒くて凍えそうだったと言えばいいじゃないか。』
『しかし、朝の4時だ。』
『熊だと思って撃ち殺されたらどうするんだ?』


そんな事が一瞬で頭の中を駆け巡ったが、ドアを開けた!
鍵が掛かっていなくて本当に良かった。


中を見回すと何もなかった。
家具はソファーしかなく、空気も埃っぽい、中には割れたガラスの破片もあった。
人がいないということは確かになったので、僕はソファーに寝転がる。


なんて長い夜なんだ。
そう思った。


しかし、外に比べると隙間風は少し入るが温かい。
僕はソファーに横になり、また眠りに落ちた。
05月06日其の1−忍耐とヒッチハイクの哲学