ヒッチハイクの文化や方法、旅行記を綴っています。カナダ北部での生活や文化も紹介。

04月30日其の6−こんなところでガス欠!?

2人で一緒にガソリンスタンドを探す。


僕がそれらしき所を見つけた。
「ねえ、あそこじゃない?」
「そうだ。行こ。」


田舎町のガソリンスタンドといった感じで民家の横に小さなガソリンの給油口が2箇所あるだけの小さな所だ。


時刻は6時少し過ぎ、問題ないだろうと思った。
彼はガソリンを入れにいこうとするが、誰もいないこと気付いた。


仕方ないので、僕も降りて周りを探す。


他の場所はなさそうだし、でもここには誰もいないじゃないか、と思っていると後ろから女性の怒鳴り声が聞こえた。


「何しているんだ、アンタは!人の家に勝手に入ってくるな!」
「ごめんなさい。でもガソリン。」
「何?何言っているんだ!?」


どうやら彼が民家に勝手に入っていた所を家の人が見つけたらしい。
おいおい。


彼は続けた。
「ガソリン欲しい思って入ったよ。お願いします。」
「何?何言ってるんだ?ガソリンはないよ!もう今日は終わったよ!」
「お願いです。ガソリン欲しいです。」
「何?あんたさっきから何言っているんだ?」


どうやら女性は彼の訛りにも腹を立ててきたみたいだったし、彼の言葉も理解していなかったので僕が変わりに説明した。


「すいません。僕たちはアラスカまで旅をしていて、ガソリンを給油しにここに来ました。もうすぐガソリンは底をつくので、どうか頂けませんか?」
「ダメだよ。うちは6時で閉店だよ。」
「6時ってまだ15分くらい過ぎただけじゃないですか!?」
「15分も過ぎているじゃないか?それにうちは発電機なんだよ。もう止めてしまったから明日の朝だ。他所に行きな。」
「他所に行きなってもうすぐガス欠になるんです。それに他所なんてどこにあるんですか?」
「そんなの知ったこっちゃないよ!次のスタンドはここから北に60`だよ。」
「60`!?そんな距離もう走れませんよ!」
「だったら朝まで待ちな!」


この会話をあまり理解できなかった彼は言った、
「ガソリン下さい。ガソリン。」
彼にあからさまな嫌悪感を示しながら彼女は言った、
「とっとと行ってくれ!朝まで待ちな!」


そう怒鳴ると彼女は家の中に戻って鍵を閉めた。


彼は、
「ファック!なんだよ、あのクソ女!」
彼女への悪態を連発している。


まあ、出来ないというものはしょうがない。
それにしてもどうする?


彼は言った、
「しょうがない、行こ。」
「どこに?」
「次の町。」
「次の町って60`もあるんですよ。このガソリンでは持たないですよ!」
「大丈夫。なんとかなる。」

っておいおい。何とかなるのかよ!
と思いつつも乗っているのは彼の車。
一度乗った船だ。乗り合わせた人の運命も一緒か。


仕方なくそこから北に60`の町に向かうことになった。


車が走り始める。
さっきまでは見とれていたこの大自然が、急に恐怖に変わった


『まさか、こんなところで野宿するのか?』
『昨日の夜よりも相当北に来ているぞ。かなり寒いんじゃないか?」


こういう言葉が頭の中をずっと回っている。


それでも、目の前の大自然はやはり美しい。


そう思いながらも走り始めて10分過ぎるとガソリンのメーターが赤く点滅し始めた


メーターは底を指している。
ガソリンはもうなくなった...。
04月30日其の7−ドラマの連続