ヒッチハイクの文化や方法、旅行記を綴っています。カナダ北部での生活や文化も紹介。

04月30日其の8−時速160`での不快感

その後、町を去った僕たちは最初と同じように時速160`で走り続けた。


空は次第に夕焼けになり、景色も素晴らしい。
木々の迫力が日本とは桁違いで、これは写真や言葉では伝えることがどうしても出来ない力強さだ。


このカナダ特有の自然の力強さは体感しないと理解できない。
ここまで北に来るともう氷河が見えてくる。


僕は氷河脇で少し休みたかったが、彼は僕の話を聞かないで黙々と運転している。
まあ、急いでいるようなので仕方ない。


氷河や熊、野鳥との出会いを楽しみながら僕はこの広大な自然を楽しんでいた。
時速160`で走る車の窓から指を外に出してみると、氷水の中に手を突っ込んだような冷たさだった


つまりそれだけ寒くなっていた。
バンクーバーから北に1500`は来ただろうか
この移動距離は当然ながら気温にも比例してくるようだ。
太陽は10時になってもしずまない。


ここまでドライブすると野生の熊がよく目に付く。
本当にたくさんの熊がここにいる。


その熊を見るたびに彼は、
「パンダ」と言う。


これはパンダではなくて、Black Bearと言うんだよ!と思った。
さすがに何度も何度もパンダパンダ言われては気持ち悪い。


時刻は10時を過ぎ。そろそろあたりも暗くなってくる。
すると彼が話を始めた。


それにしてもあの最初のガソリンスタンドでの出来事以来、彼は悪態ばかりついていて、少し僕はうんざりしてきていた。
それでも彼は僕を気に入ったらしく、アラスカのベトナム料理屋で働かないかと誘ってくれたが。


彼はアメリカに移り住んで15年
ベトナム料理の厨房に立ってずっと生計を立ててきたようだ。
中国語と韓国語は上手いらしく、特に中国語は得意だといっていた。
おそらくベトナム料理屋は中国人との関係があって成り立っているんだろう。

アメリカの巨大な中国人のコミュニティーであれば中国語だけでも成功できるって言うわけかもしれない。


それにしても彼が自分の恋人が3,4人いるとか女がどうとかっていう話には正直うんざりだったが。



僕たちは12時前まで走り、氷河脇の駐車場とトイレだけあるようなところで車を止め、このまま車の中で眠る事にした。


彼はトランクから僕にも毛布を用意してくれ、ジャケットの上から毛布を羽織り、眠りにつくことにした。


エンジンを止めた車の中はすごく寒いが、昨日の何もない公園よりは安心した。
どこまで北に来たんだろうか?という思いを寄せながら僕は眠り落ちた。