ヒッチハイクの文化や方法、旅行記を綴っています。カナダ北部での生活や文化も紹介。

05月01日其の5−旅の終わり、Whitehorse

2時間後、車はガソリンスタンドだけの小さな町に着いた。
2人はまっすぐガソリンスタンドの売店に進んだので僕もついていく。


女性が店に入ると店員に言った、
「シナモンロールある?」
「あるよ。」
「3つちょうだい。」
「ほい。」
「ここのシナモンロール美味しいのよ。これを買いにわざわざドライブしてきたんだから。


はい?シナモンロール一つに往復6時間のドライブですか?


しかし、カナダの広大な土地では地方に住んでいる人は2,3時間掛けて大きな買い物をしに行くのはよくあることだ。
2,3週間分の食料をまとめて買いに行くんだ。


それを考えると、シナモンロールに6時間のドライブはおかしくないかもしれない(?)


僕はお店の店員の中年男性に聞いた。
「Inuvikに行こうと思っているんですけど。こっからじゃまだまだ遠いですか?」
「Inuvik?まだ氷河が凍結していて通れないぞ。氷河が溶けなくちゃフェリーが運航しないんでな。」


え、氷河ですか?そんなの聞いてませんよ!
てか何も聞いていませんけど(笑)
(僕は何も調べないでInuvikに向かっていた)


「それにあんなところまで何しに行くんだ?」
「いえ、その、北極海を見ようと。」
「え?あんな凍った海を見てどうするんだ?」
「はい!?凍っているんですか!?」
「そうだよ。凍ってるものなんか、そこの湖で十分じゃないか。」


なんとなんと、僕は何も調べずに空想の中の光景を求めて北上していたようだ。


女性が言った、
「ねえ、あんたまだ行こうとしていたの?馬鹿なこと考えずに一緒にWhitehorseに戻りましょうよ。」
「はい、そうですね。そうします...」


僕のInuvikへの旅はあっけなく終わってしまった。
まあ、確かにInuvikは何も調べていなかったし、さすがに無理があると思った。


仕方なく、2人の寒い後部座席に乗って僕はWhitehorseへの帰路についた。


僕の人生で最も北緯の高い場所での経験だ


その夜はオーロラは現れなかったが。